いちご(越後姫)の花芽分化のルールについて
いちご(越後姫)の花芽分化のルールについて
こちらのページではいちご(越後姫)の花芽分化のルールについて説明します。
苺の農家さんがよく専門用語で「花芽分化」って言葉を使っているけど、
花芽分化ってなに?教えて♪
そうだね、いちご農家さんはいちごを植える時期になると
花芽分化についてよく話をしてるね。
今回は花芽分化について説明するね。
分化とは何か?
本来は一つのものまたは同一のものが異質化をして複雑化していく様子を「分化」と言います。
花芽とは何か?
成長してはなになる芽のこと。
花になる元のこと。
花芽分化とは何か?
1つの成長点が花の元になる芽に変化していくこと。
この成長点は、条件によって葉っぱになったりランナーになったり花芽になったりします。
いちご(越後姫)花芽分化のルールについて
いちご(越後姫)花芽分化のルールについて説明していきます。
花芽分化のルール
- 1:ステージの進み具合については、花芽の様子で判断する。
- 2: 苺(越後姫)の花芽分化のステージには5つあります。
1ステージランクアップするには3日かかる。
※ただし正常に成長しての話 - 3: 1~3のステージまで進んで定植した場合
ハウスの温度が30度以上になった時、花芽が飛ぶ。
※花芽が飛ぶとは花芽が無くなること - 4:3のことからステージ4に進んでいる苗については定植が可能になる。
※花芽分化を調査した苗の平均が4の場合に数字上は定植しても良いことになるが注意が必要。 - 5:1日定植が遅れるといちご(越後姫)の収穫が3日遅れる。
例:調査した苗が5つの場合
1株目:ステージ3
2株目:ステージ5
3株目:ステージ4
4株目:ステージ3
5株目:ステージ5
ステージ平均4
平均の数字上では定植しても良いことになります。
でも実際は、
1株目と4株目を植えた場合、定植後ハウス内で高温にあたると花芽が飛びます。
その場合、2.3.5のみ開花するので開花率が60%となってしまいます。
よってステージの平均はあくまでも参考値として捉える必要があります。
では全てステージ5になるまで待てば開花率が上がるから待てばいいと思うかもしれません。
そうすると別の問題が発生します。
それはルールの5で説明したステージ5以上になっている状態で
1日定植が遅れると3日収穫が遅れるということです。
上記の調査した状態が上記の数字だった場合
全てのステージが5以上になるまでまった場合最低でも6日定植が遅れることになります。
いちご(越後姫)の定植が6日遅れるといちご(越後姫)の収穫が18日遅れることになります。
月の半分以上収穫が無くなるということです。
(給料が半分以下になるという方が想像しやすいかもしれません)
安全策を取ると全体の収穫が遅れる。
ステージのギリギリを狙いすぎて失敗すると開花率が下がる。
どちらを選ぶかは、その時の花芽分化のステージの状況を踏まえて行います。
私は、全体の収穫が遅れてもいいから安全策を選びます。
花芽分化についてのまとめ
- 1:苺の花芽分化のステージは5つ
- 2:ステージが1上がるのに3日かかる
- 3:ステージ3以下で高温にあたると花芽が飛ぶ
- 4:1日定植が遅れると収穫が3日遅れる
- 5:調査した苗の平均はあくまでも平均で中身の数字が大切
いちご苗によってステージのバラつきは、
通常の育苗期間中(苗刺しから)の管理のばらつきから生じてきています。
全て同じような状況での管理を心がけていきましょう。