簡易保冷庫の作り方。

2023年01月06日 2023年01月06日
簡易保冷庫の作り方。

簡易保冷庫の作り方。

いちごの冷蔵処理をする為に必要な保冷庫を鉄パイプで作る方法をお伝えします。

冷蔵処理の仕方はわかったけど、
自分で冷蔵処理する場所を作ることってできないかな?

そうだね、保冷庫を貸してもらえる場所があればいいけど
ない場合は作るしかないよね。
保冷庫を買うっていう方法もあるけど、
簡単に作れるからその仕方を教えるね。

簡易保冷庫の必要なもの

ヒートポンプ(業務用のクーラー)12度まで
下げることができるもの
鉄パイプ
カチックス
遮光カーテン100%のもの
パッカー

簡易保冷庫の必要なもの

道具
水平器
ハンマー

冷蔵処理をする前に

1:何株冷蔵処理苗として植えるのかを決める。
2:必要な株数に対して必要なコンテナを準備する。


苺の花ことばでは1コンテナ24株入る。(ポットサイズが10cm)
3:コンテナの個数を計算する。
4:コンテナの個数が出たらまとめて置いた時の縦横高を出す。
5:縦横高の+50cm以上の幅を持たせたサイズの保冷庫用の鉄パイプと遮光カーテンと
その一回り大きく囲える鉄パイプと遮光カーテンを準備する。


(簡単な設計図)

今回はこの場所に作ります。

冷蔵処理を失敗した時の話

昔は、1重の遮光カーテンで簡易的な保冷庫を作ったら湿度が逃げてしまって乾燥してしまったのと冷えきらなかった為大量の廃棄苗を作ってしまった。


冷蔵処理失敗で廃棄された苗たち・・・。

失敗を糧に2重遮光カーテンで作った所、いちごの開花率も上がり廃棄苗もなく出来ました。

簡易保冷庫の作成手順 土台作り

必要なものと道具が揃ったらいちごの簡易保冷庫の作成を開始します。

いちごの簡易保冷庫の土台になる鉄パイプと鉄パイプをカチックスでとめる。


鉄パイプの下にカチックスをセットして鉄パイプと鉄パイプをクロスします。


カチックスにクサビをセットします。


カチックスのクサビをハンマーで叩きます。


クサビが奥まで入ったら圧がかかって鉄パイプと鉄パイプが止まります。
土台になる部分を全てカチックスで止めたら今度は縦のパイプをつけます。

簡易保冷庫の作成手順 縦のパイプ作り


同じようにカチックスで鉄パイプと鉄パイプを接合します。


土台と縦の鉄パイプを接合するとこんな感じです。

途中で縦のパイプが垂直になっているのかチェックしていきます。

注意

人の目だと垂直だと思っていても結構曲がっていることがあるので水平器は必須です。
傾きがひどいと崩れる可能性が高まるので注意して下さい。


空気が線と線の中心にあると垂直という意味になります。
これはもう少し傾けたほうがいいですね。


水平器は、手を離してもくっついてくれる磁石付きのものをおすすめします。


黄色のマーカーがついているところが完成です。

Point

設計図にも書いてありますが、片側が少し高くなっているのがポイントです。
それは何故かというと簡易的な保冷庫のため遮光カーテンが結露して天井に水滴が溜まってしまうからです。


水滴が溜まると遮光カーテンがどんどんたわんでしまって
その溝に更に水滴が溜まるという悪循環を繰り返してしまい
最悪重みで保冷庫が倒壊してしまいます。
それを少しでも防ぐために片側を高くして角度をつけて水滴がたまらないようにしてあります。

屋根部分になる鉄パイプを設置

四方を囲む枠が完成したら今度は屋根部分になる鉄パイプを設置します。
屋根の上に遮光カーテンを取り付けるのでカーテンのワタミが出ないように
細かく設置します。

天井の鉄パイプの設置が終わったら
今度は斜めにパイプを設置して多少の横の力に耐えるようにします。

カチックスは垂直にしかパイプを止められないので斜めの場合はこれを使います。


これを使えばパイプとパイプを斜めにとめることができます。

もうすでに設置してあるパイプの場合は1度金具を広げてから閉じて使う。


金具が薄いと言っても鉄なので広げたり閉じたりするには力が必要になります。


金具を閉じたら止めたい方向に金具を向ける。


もう片方も金具をつけて向きを合わせます。


向きを揃えたらネジをセットする。


あとは しっかりと固定するまでひたすらネジを回します。


片側が止まるようになっているのでもう片方をドライバーなどで止めなくても気にせず回せます。


手だけの力だと限界があるためペンチを使ってしっかりと止めます。
こういうときには手の握力がめちゃくちゃほしいなって思いますね。
いちご農家になるには、力があって手先が器用な人がおすすめです。
私はどちらかというと不器用なのでスムーズに閉じられなかった。


ペンチでしっかりとネジを締めれば完成です。

 


同じように斜め下のところにもしっかりと止めます。


これで多少の横揺れに対応します。

今回はあくまでも簡易的な作り方なので強い風が吹いた場合は倒れるので注意してください(笑)。

ただハウスの中なので風の心配はありません。

今回はあくまでも数日間のいちご苗の保冷ができればいいだけということを最優先に考えています。

Point

保冷期間が終わったら解体するのですぐに解体できるというのも1つのポイントです。
保冷が終わったらすぐにいちごの定植が始まります。


同じように反対側も斜めの鉄パイプを組んで行きます。

遮光カーテンをかける


骨組みが完成したら今度はいちごを遮光する為の遮光100%カーテンをかけていきます。


まずは遮光カーテンを鉄パイプの上に乗せていきます。

2人以上でやる場合は上に上げる人と引っ張る人で分けて作業をすることをお勧めします。
1人の場合は、ちょっとずつずらしては引っ張る。ずらしては引っ張るの繰り返しをします。

無理やり引っ張ると鉄パイプが歪んだり倒れたりするので注意が必要です。

 


両端に引っ張って長さを調整します。

大体同じぐらいの長さになったら広げていきます。


遮光カーテンには表と裏があるので貼るときには注意が必要です。
広げ終わったってたわみを確認する。

今回は鉄パイプと鉄パイプの間隔が広がっているところにたわみを発見したため鉄パイプを追加します。


追加したパイプが思ったより長くはみ出していたので鉄パイプをカットしないといけません。

鉄パイプを切るのって大きな電動カッターで切ったりするイメージで大変そうですよね。

私もそう思ってました。

でも鉄パイプを切る時には、簡単に切れる道具があります。
それはこれです。


これがあれば手動で簡単に鉄パイプがカットできます。

使い方は簡単で鉄パイプにこれをセットして回すだけです。

 


下の部分を回すとカッター刃が出てきてパイプを切ってくれます。


回しては、刃を出しての繰り返しをします。
そうすると少しずつ溝ができてきます。


さらに回すと溝が深くなってきます。


あとは溝を深くしてカットします。


力を入れずに結構綺麗に切れます。


鉄を切るノコギリとかで切っていたら物凄い力と時間が掛かっているだろうけど
正しい道具があると力も要らずに短時間でできます。

鉄パイプのカットが終われば再度遮光カーテンのたわみをチェックします。


全体的にたわみがなければパッカーで止めていきます。


パッカーで鉄パイプと遮光カーテンを止めていきます。
(鉄パイプのサイズごとにパッカーのサイズがあります。)

ただそのままパッカーをつけると遮光カーテンが破れる可能性があるからテープをつけて補強をします。


あとは場所を決めたらひたすら止めていきます。


パッカーを止めてたわみを確認する。


確認後、遮光カーテンを片側だけ内側に入れたら天井部分が完成です。


なぜ片側だけ内側にカーテンを入れるかというと片側は、苺の苗を出し入れしないので内側に折り込んで冷気を逃さないようにします。
もう片側は、いちごの苗を出し入れするためにそのままです。

2重カーテンの外側

ここまで出来れば今度は2重カーテンの外側に取り掛かります。

まずは、内側と同じように鉄パイプの準備をします。
鉄パイプの長さを調べてからどこにどの鉄パイプを置くのか決めていきます。

注意

設置してから長さの間違いがある場合はやり直しになるので注意が必要です。


鉄パイプの長さのチェックが終わったら鉄パイプを仮置きしていきます。
(草がボーボーに生えているので草取りをしなきゃですね・・・。)


仮置きが終わったら、またひたすら鉄パイプとカチッくすを連結していきます。


土台部分が完成したら次は縦のパイプを組んでいきます。


少し鉄パイプを手で持って浮かしながらカチックスを叩かないと鉄パイプが横にずれた時にグランドシートを破いてしまいます。(私は過去に何度か破いてしまいました。)


気が付いた人もいるかもしれませんが、外の鉄パイプの方が少し太いです。
外側の方が幅広なのでパイプを太くしてあります。
(細いパイプの方が値段が安いですが、強度が弱くなります。)
予算が潤沢にある場合は太めのパイプをお勧めします。

MEMO

今回使っている鉄パイプは
内側の鉄パイプは19
外側の鉄パイプは25


鉄パイプの径に合ったカチックスを使います。
パイプの径とカチックスのサイズが合わないとしっかりと止まりません。


縦の鉄パイプもカチックスでひたすら止めていきます。


縦部分の鉄パイプの設置が終わったら今度は屋根部分の鉄パイプも止めていきます。



これで枠組みが完成です。
また内側の遮光カーテンと同じように遮光カーテンを設置していきます。

天井部分の鉄パイプの設置

今度は内側の遮光カーテンと同じように天井部分の鉄パイプの設置です。


天井部分に鉄パイプを8本乗せます。
内側より広くなっているので1本プラスで設置します。
(結露は、内側カーテンの外側につく為と外側遮光カーテンの天井にはあまり結露しないその為同じ本数でも可能)


中心を気持ち狭くして後は等間隔で置いていきます。


天井に設置した鉄パイプの長さがバラバラだったのでパイプカッターで切っていきます。長さを揃えたら後はひたすらカチックスで鉄パイプと鉄パイプを止めていきます。


後は内側と同じように斜めの鉄パイプも設置してパイプ部分完成です。


内側と同じように遮光100%を設置していきます。外側の遮光カーテンは白黒カーテンです。


左右の遮光カーテンの横の長さを揃えて後は広げるだけです。
(片付ける時も外側が内側に入るように折り畳んでかだづけると次使う時に簡単に広げられます。)

  


この遮光カーテンは白い部分を外側にします。
天井部分の遮光カーテンを設置したら今度はパッカーを止めて後ろ側の内側遮光カーテンを設置します。


少しわかりにくいですがヒートポンプの裏の遮光カーテンを設置です。

2重カーテンと言っていたましたがさらに内側にカーテンをつけて3重カーテンにします。(できるだけ冷気を逃さないように保温力アップです。)


3重カーテンが終われば内側の側面と外側の側面をつけてます。

  


後はヒートポンプをつけて空気の流れを確認して完成です。

いちごを冷蔵処理する日にちになったら簡易保冷庫に入れて管理をします。

準備するもの

鉄パイプ2重カーテン分
100%の遮光カーテン
カッチクス
ハンマー
パッカー
OPPテープ

あると便利なもの

水平器
鉄パイプカッター


どのくらい苗を入れるかによって保冷庫のサイズが変わってくるので
自分が必要な大きさに合わせて保冷庫のサイズを変えてください。

ちなみにこのサイズ感で約3000株分は入ります。
詰めれば6000株分入りますが、
花芽分化の確率を考えると多く詰めすぎると良くない開花率になります。

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